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2017.07.14
ハバナのラテン的な異空間に、迷い込もう!
ハバナの西の外れ、マリーナ・ヘミングウェイ近くの海岸沿いに、摩訶不思議な町、ハイマニタス(Jaimanitas)があります。
かつては何の変哲もない鄙びた漁村だったのですが、30年近く前に一人の男が、住居兼アトリエを構えると、町の姿が徐々に変容して行ったのでした。
1946年に、キューバ中部のビジャ・クララ州カイバリエンで生れた、ホセ・ロドリゲス・フスター(Jose Rodriguez Fuster)がその人。陶芸をはじめ、絵画、彫刻、グラフィック等でマルチに活躍する芸術家です。彼のアートは、パブロ・ピカソやジャン・デュビュッフェに影響を受けたと言われています。ヨーロッパを訪れた際に、バルセロナでアントニ・ガウディ、ルーマニアでコンスタンティン・ブランクスの作品に強く感化されて、それがこの町に“フスター・ランディア(Fusterlandia)”を創出するきっかけになったようです。
彼は自分の作品を売って得たお金をつぎ込み、まずは住居兼アトリエをモザイクアート化する一方で、住民たちを説得して、賛同者の建物や外塀、植栽を次々とアーチスティクにデコレートしていきました。個人の住まいのみならず、学校、保育園、医院、公園等も含まれており、その数は80軒を超え、鄙びた漁村は、いつしか超モダンアートのオブジェ・タウンへの変身を遂げたのです。
フスターの住居兼アトリエの一部が見学できる他、モザイクアートの町を散策すると、まさに異次元の世界に迷い込んだような錯覚を楽しめます。ハバナ旧市街からはタクシーで20分程度です。
リポート: DTACキューバ観光情報局 局長 池上 和徳
関連URL:DTACキューバ観光情報局 局長