倒産件数は4990件、6半期連続で増加 2年連続で全業種・全地域が前年同期を上回る ― 全国企業倒産集計2024年度上半期報

アンケート調査データ

  • アンケート調査日2024/4/1
  • アンケート調査実施企業株式会社帝国データバンク
  • アンケート調査人数4990人
  • 配信日2024年10月8日 13時30分

アンケート調査の概要

本調査は、企業の倒産件数に関する全国的な集計結果をもとに行われました。特に、2024年度上半期の企業倒産件数が前年度比で大幅に増加し、全業種全地域において前年同期を上回るという事実が明るみに出ました。この調査は株式会社帝国データバンクによって実施され、対象となるのは負債が1000万円以上の法人の法的整理が行われた倒産です。

調査期間は2024年4月1日から9月30日までで、発表日は2024年10月8日となっています。調査の焦点は、倒産件数の動向、負債総額及び業種別、地域別の分析です。特に、業種別のデータを通じて経営環境の変化や市場のトレンドが明らかにされることになります。企業経営に携わるビジネスマンやマーケティング担当者は、この情報を基に戦略を考えることが重要です。

アンケート調査の結果

2024年度上半期、企業倒産件数は4990件に達し、前年同期の4208件から18.6%の増加を記録しました。この件数は2013年度以来の高水準であり、倒産が増えていることが示されました。特にサービス業が1312件と最も多く、次いで小売業が1048件、建設業が921件と続きました。このトレンドは、仕入れコストの高騰や物価の上昇が直接の原因となっていることが考えられます。

地域別に見ると、倒産件数は全地域で前年を上回り、特に関東地方は1759件で、近畿地方も1259件と大きな増加を見せました。この傾向から、全国的に厳しい経営環境が広まっていることが伺えます。

また、特筆すべきは「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」が360件と過去最多を更新したことや、「人手不足倒産」が163件に達し、上半期として初めて150件を超えたことです。これらの要因は、新型コロナウイルスの影響からの回復期における企業の厳しい現実を示しています。

加えて、物価高倒産という新たなトレンドも顕在化しており、473件と過去最多を大幅に更新。経営者にとって、これらの情報は重要な警鐘となるでしょう。ここから数多くの企業がどのように対応策を講じているのかを注視する必要があります。

アンケート調査の活用法

この調査結果は、ビジネスマンやマーケティング担当者が今後の事業戦略を考える上で非常に役立ちます。具体的な活用法としては、以下の点が挙げられます。

まず、倒産が増加している業種についてのデータを活かし、特に危険な業種に注目することが重要です。例えば、サービス業や小売業、特に飲食業は今後のビジネス展開において避けるべきエリアとして認識されることが考えられます。

次に、地域ごとの倒産件数の増加を踏まえ、自社が展開している地域の経済環境を再評価することが求められます。不況が深刻な地域においては、新規顧客の獲得や既存顧客の維持が困難になる可能性があるため、リスク管理を強化する必要があります。地元経済への影響を考え、地域密着のマーケティング戦略が必要とされるでしょう。

また、「ゼロゼロ融資後倒産」の増加傾向を踏まえると、融資戦略を見直すことも欠かせません。資金繰りに悩む企業との取引をする際には、企業の健全性を確認することが重要です。倒産リスクを避けるため、相手企業の財務状況をしっかり把握し、長期的な取引関係を築く努力が求められます。

さらに、業界の変化に柔軟に対応できる体制を整えることが重要です。調査結果には人手不足や物価高に関連する倒産が多い種を示しているため、人材の確保やコスト管理に対する戦略も抜本的に見直す必要があります。特に、労働力の確保については、効率的な採用や育成の戦略を立てることが求められるでしょう。

最後に、競合他社の動向も常に把握しておくことが大切です。倒産が増えるということは、他社が手を引く市場があることで、新たなビジネスチャンスも同時に生まれる可能性があります。この機会を逃さず、一層の市場開拓や新商品開発を進めることが企業成長につながります。

こうした視点から、この調査結果を基にした分析と戦略の見直しが、今後のビジネスの成功に不可欠であることがわかります。企業が直面する課題やリスクを認識し、適切に問題を解決するための道筋を立てることが、長期的な成長を促進するために必要なアプローチです。

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出典 PR TIMES