アンケート調査データ
- アンケート調査名一般家庭の子どものコミュニケーション力に関する実態調査, 児童養護施設の子どものコミュニケーション力に関する実態調査
- アンケート調査日2024/5/30
- アンケート調査媒体Web調査
- アンケート調査実施企業特定非営利活動法人JAMネットワーク
- アンケート調査対象者子どもを育てる保護者, 児童養護施設の職員
- アンケート調査人数331人
- 配信日2024年9月20日 11時49分
アンケート調査の概要
特定非営利活動法人JAMネットワークが実施したアンケート調査は、児童養護施設にいる子どもたちのコミュニケーション力の実態を把握することを目的としています。この調査は、一般家庭の保護者と児童養護施設の職員を対象に行われました。調査の方法としては、Webを利用した形式で、一般家庭から115名、児童養護施設職員から216名の有効回答を得ました。この調査は2024年の5月下旬から6月中旬にかけて行われ、実施の背景には、児童養護施設の子どもたちが抱えるコミュニケーション力の課題が自立にどのように影響するかという懸念が横たわっています。
調査対象は、次の通りです。一般家庭の調査は、3歳から18歳までの子どもを育てている保護者を対象とし、児童養護施設の調査は全国の職員を対象としています。本調査によって、児童養護施設の子どもと一般家庭の子どもとのコミュニケーション力の違い、具体的な課題、およびその原因が示されることを期待しています。
アンケート調査の結果
調査結果から明らかになったのは、児童養護施設にいる子どもたちが抱えるコミュニケーション力に関する多くの課題です。特筆すべきは、一般家庭の保護者の約51%が「子どものコミュニケーション力に課題がある」と答える一方、児童養護施設の職員の約92%が同様の認識を持っているという点です。この数字から、児童養護施設の子どもたちが直面する問題の深刻さが窺えます。
具体的なコミュニケーション力の課題としては、以下の三つの力が挙げられます。
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伝える力: 児童養護施設の子どもたちは、自分の意見を言いたい場面でも言語化できない、または自分の考えを表現できないという割合が一般家庭と比べて2~3倍高いことが分かりました。これは年齢に関係なく見られる現象です。
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聞く力: 話の途中で遮る、または他のことに注意が行ってしまうという状況が、一般家庭の子どもに比べて児童養護施設の子どもでは非常に高く、約83%がこの問題を抱えています。
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理解する力: 具体的な説明が必要なために話を理解できない子どもが81%を占め、一般家庭の子ども(約25%)と比較しても大きな差があることが分かりました。
その他に重大な課題としては、暴言やネガティブな言葉が多いことが挙げられます。児童養護施設の子どもたちは、約82%がこの問題を抱えており、特に「殺す」「死ね」といった過激な言葉が頻繁に使われていることが明らかになっています。
加えて、90%以上の児童養護施設の職員が「コミュニケーション力の不足が退所後の自立に影響を与える」と考えています。特に「誤解を招く」「孤立する」「生活に支障をきたす」といった懸念が寄せられ、改善の必要性が強く訴えられています。
アンケート調査の活用法
このアンケート調査の結果は、様々な方法で活用されるべきです。特に、児童養護施設の子どもたちのコミュニケーション力の育成及び支援に向けたアプローチにおいて重要なデータとなります。
まず、データを基にしたプログラムの開発が必要です。調査結果から見える具体的な課題に応じて、コミュニケーション力を高めるためのトレーニングプログラムやワークショップを設計することが考えられます。たとえば、伝える力や聞く力を強化するための具体的な演習やゲームを取り入れたプログラムは、子どもたちにとって実践的で効果的な支援となるでしょう。
次に、職員への研修も重要です。調査結果を職員向けの研修プログラムに組み込み、コミュニケーション力の重要性やトレーニング方法について定期的に解説し、具体的な支援の手法を学ぶ機会を提供することで、職員の理解を深めることができます。職員が子どもたちの言葉にどのように反応すべきか、その姿勢を持つことが大切です。
そして、結果を地域社会や広く一般に知らしめる活動も有効です。アンケート調査の結果をまとめたレポートを地方公共団体や社会福祉関連の機関、支援団体に配布することで、課題に対する理解が深まります。また、一般の保護者や教育関係者に向けて啓発活動を行うことで、コミュニケーション力育成の重要性を広められるでしょう。
最後に、定期的なフォローアップや再調査を行うことで、施策の効果を測定し、必要な改善を施すことが可能です。これにより、継続的に子どもたちへの支援が充実したものとなり、さらに多くの子どもが自立に向けた力を身につけられるようになるでしょう。
出典 PR TIMES