アンケート調査データ
- アンケート調査名全国大学学長アンケート
- アンケート調査媒体KEI Higher Education Review
- アンケート調査実施企業株式会社KEIアドバンス
- アンケート調査対象者全国の国公私立大学の学長
- アンケート調査人数370人
- アンケート調査設問数39問
- 配信日2024年10月3日 14時50分
アンケート調査の概要
本アンケートは、河合塾グループのKEIアドバンスによって実施され、全国の大学と大学院大学からの学長を対象にしています。調査は2023年12月から2024年1月に行われ、812校を対象にした結果、370校からの回答が集まりました。回収率は45.6%です。この調査は、各大学の経営に関する取り組みや課題を把握し、今後の大学経営のヒントを提供することを目的としています。設問は広範囲にわたり、「大学の存在意義」、「経営・財政」、「学生募集・広報」、「教育・研究」など、さまざまな項目が含まれています。
具体的な設問内容としては、大学が果たすべき役割や、将来的な課題、さらにはダイバーシティやジェンダー格差是正に関する取り組みなどが挙げられています。このように多様な視点から意見を収集することで、参与する大学が今後どのような方向性を持つべきかを探求しています。
アンケート調査の結果
調査結果からは、特に注目すべき点がいくつか浮かび上がっています。まず、85%の大学が「メンタルヘルスに問題を抱える学生が増えている」と応答しています。これは316校が該当し、非常に高い割合です。この結果は、昨今の社会情勢やコロナ禍の影響が持続的に大学生のメンタルヘルスに影響を及ぼしていることを示しています。
また、一般選抜と年内入試の定員バランスを保つことに困難を感じている大学が多いことも特徴的です。174校がこの課題を掲げ、特に年内入試の拡大傾向が見られる中で、各大学がその対応に試行錯誤を重ねている様子が窺えます。この結果は、大学の入試制度改革が急務であることを示唆しています。
さらに、国際化やグローバル化に関する質問においては、64%の大学が海外からの留学生受け入れや大学間協力を重視していると回答しています。これもまた、国際的な人材を育成するための取り組みが進んでいることを示しており、特に日本の大学が国際競争力をつけるために必要な施策と言えるでしょう。
アンケート調査の活用法
このアンケート結果は、さまざまな側面での活用が考えられます。まず、大学経営者やマーケティング担当者は、将来的な経営戦略を策定する際の基礎資料として利用することができます。特にメンタルヘルスの増加という課題については、適切な支援体制を構築するためのヒントが得られます。大学内部でのカウンセリング体制の強化や、メンタルヘルスに関する啓発活動を進めるきっかけとなるでしょう。
また、今後力を入れるべき取り組みとしてメンタルヘルスに関する関心が高まっていることを受けて、企業側も大学とのパートナーシップを検討することが重要です。例えば、メンタルヘルスに特化したプログラムの共同開発や、学生へのメンタルヘルス支援サービスを提供することで、企業としての社会的責任を果たしつつ、新たな市場を開拓することができるかもしれません。
さらに、国際化や留学生の増加に向けたデータも重要です。海外からの学生を受け入れやすい環境を整えることで、大学自身の国際競争力を高められるでしょう。業界のニーズに応じたカスタマイズ型のプログラムを設計し、積極的に学生を誘致する戦略が求められます。
このように、アンケート調査の結果は、大学経営者だけでなく、広くビジネスマンや法人経営者に向けて、多様なビジネスチャンスの創出や改善点を考えるための重要な情報源となります。調査結果をもとに、有意義な施策を立案し、実行に移すことで、大学経営と社会全体の持続的な発展に寄与することが期待されます。
出典 PR TIMES