内部通報窓口への年間通報件数は従業員100人あたり約0.5件 約4割の企業が会社の対応結果に納得が行かない通報者への対応に苦慮した経験あり

アンケート調査データ

  • アンケート調査名内部通報制度の運営状況アンケート調査(2024年)
  • アンケート調査日2024/7/19
  • アンケート調査媒体Webアンケート調査
  • アンケート調査実施企業株式会社エス・ピー・ネットワーク
  • アンケート調査対象者当社クライアント及びメルマガ登録企業・国内売上上位1000社、ハイテクノロジーコミュニケーションズ株式会社 顧客
  • アンケート調査人数365人
  • アンケート調査設問数空欄問
  • 配信日2024年10月3日 14時00分

アンケート調査の概要

今回の調査は、株式会社エス・ピー・ネットワークが実施したもので、内部通報制度の運営状況を把握することを目的として行われました。調査期間は2024年7月19日から8月18日の約一か月間であり、対象は365社の内部通報窓口担当者です。これにより、企業がどのように内部通報制度を運営しているか、またその効果や課題を具体的に把握することを目指しました。

調査方法はWebアンケートで、対象となる企業は当社のクライアント、メルマガ登録企業、国内売上上位1000社など多岐にわたります。また、ハイテクノロジーコミュニケーションズ株式会社との協力のもと、調査を進めました。このように、幅広い企業が含まれることで、内部通報制度の現状やその課題を包括的に理解することができました。

この調査によって、内部通報が企業にとってどのような役割を果たしているのか、また、その運用における具体的な問題点や改善の余地についても明らかにされています。特に、通報件数が少ない企業や不平・不満の通報が多い企業が存在することが、制度の機能不全を招く要因として浮かび上がりました。

アンケート調査の結果

調査の結果は、多岐にわたる観点から考察され、企業の内部通報制度における現状と課題が数多く発見されました。以下に、主要な結果をまとめます。

まず、年間通報件数は従業員100人あたり約0.5件であることが示されました。この結果は2018年と同程度であるものの、2021年の約1.3件からは減少していることが報告されています。このことから、内部通報が企業内でどの程度機能しているのか、また、特に小規模企業において通報が少ない要因が考察されています。

次に、通報者に対する不利益行為が確認された企業は13.1%にのぼります。これは法令違反であり、本来はゼロでなければならない事象です。このような不利益行為の存在が通報の抑止要因となり、企業の自浄作用を損ねる恐れがあります。

また、パワハラ疑惑に関する通報については、調査結果として認定される割合が低いことが指摘されています。通報のうち、実際にパワハラとして認定されるのは約10%以下であり、通報が増加する中で、実際の問題に対処するための責任が重くなっていることが理解されます。

さらに、約4割の企業が通報者の納得が得られない対応に苦慮した経験を報告しており、このような状況は企業内におけるコミュニケーションや誤解を深める要因ともなり得ます。

窓口担当者の人員不足やノウハウの蓄積が課題であることも明らかになりました。特に、公益通報者保護法の改正に伴い、従事者の研修が義務化されていますが、担当者不足や対応の属人化が資源の枯渇につながっているようです。

最後に、調査を通じて、多くの企業が内部通報体制を定期的に評価・点検していない実態が浮かび上がりました。これは今後、企業が制度の実効性を高めていくための重要な課題となるでしょう。

アンケート調査の活用法

この調査結果は企業にとって多くの示唆を含んでいます。まず、内部通報制度の健全な運営を確保するための改善策を導入する際の基盤として活用できます。具体的には、以下のような施策を考慮することが重要です。

まず、通報件数が少ない企業においては、その原因を分析することから始めるべきです。この調査結果から、通報制度が適切に周知されていないのか、あるいは通報者が不利益を被ることを恐れているのかといった要因を探ることで、内部通報制度の利用促進が可能になります。

次に、通報者の不利益行為防止に向けた体制を強化する必要があります。調査結果から示された通り、不利益行為が確認された企業は依然として存在します。このことは、通報者が不安を抱く要因となり、通報を敬遠させる結果につながります。通報者保護の方策をしっかりと社内に浸透させることが、信頼関係の構築につながります。

さらに、通報担当者のスキルアップやナレッジの共有を重視した人材育成プログラムを整備することも求められます。担当者のスキルや業務に関するマニュアルの整備は、ノウハウの継承を進め、属人化を防ぐために不可欠です。また、定期的に改善活動や評価を行うことで、透明性を高めることができます。

加えて、社員同士のコミュニケーションの強化が必要です。内部通報が不深や不満のはけ口となることを防ぐため、上司や同僚との対話の場を設けることで、職場内の人間関係を健全に保つ努力が求められます。ウェルビーイングの観点からも、良好な職場環境の醸成が必要です。

最後に、定期的な評価とフィードバックを通じて内部通報制度を改善し続けることが求められます。企業は法律が求める規定をクリアするだけでなく、実効性のある体制づくりを進めることで、内部通報制度の真の価値を引き出すことができるでしょう。

アンケート調査のプレスリリース本文はこちら
出典 PR TIMES

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