アンケート調査データ
- アンケート調査名健康経営の促進に向けた産業医のデジタルヘルスサービスの利活用意向に関する実態調査
- アンケート調査日2024/2/20
- アンケート調査媒体インターネット調査
- アンケート調査実施企業株式会社日本総合研究所
- アンケート調査方法インターネット調査
- アンケート調査対象者産業医
- アンケート調査人数104人
- アンケート調査設問数空欄問
- 配信日2024年9月26日 15時00分
アンケート調査の概要
本調査は、株式会社日本総合研究所が事務局を務める日本デジタルヘルス・アライアンス(JaDHA)が実施したもので、産業医を対象にしたデジタルヘルスサービス(DH)の利用実態や利用意向を把握することを目的としています。調査は2024年2月20日から3月22日の間に行われ、104名の産業医を対象にインターネットによる簡易なアンケート形式で実施されました。
調査の目的は、企業における健康経営の推進に向けて、DHの利活用状況や関心度を明らかにし、また産業医がどのように情報を収集し、導入を検討しているのかを理解することです。近年、DHは新型コロナウイルス感染症の影響で注目を集め、その特性から従来の医療提供の枠を越えた形で健康増進に寄与する可能性が評価されています。しかしながら、市場はまだ混沌としており、正しい情報が求められている状態です。このため、本調査は企業がDHを安心して導入しやすい市場環境の醸成に向けた提言を行うための基礎データを提供することを目指しています。
アンケート調査の結果
調査の結果、産業医の8割以上が健康経営を推進する中でDHの利活用に対して価値を見いだしていることが判明しました。具体的には、33%がDH単体での価値を評価しており、51%は保健スタッフの指導と組み合わせた利用が望ましいとの意見を示しました。つまり、効果的な健康管理には対面での指導とデジタルサービスの両方が補完関係にあるという認識が強まっていることを表しています。
さらに、DH導入の目的として最も多かったのは、従業員の生活習慣病改善であり、運動習慣や禁煙、食生活の改善が主な対象とされていました。また、メンタルヘルスに関連するサービスも一定の導入が進んでいますが、フレイルや認知症、女性特有の健康課題に対しては導入率が低く、こうした領域でのアプローチは今後の課題と位置付けられます。
企業規模による導入の差も顕著で、DHを導入済みの産業医のうち約6割が大規模企業に属しており、中小企業は約2割にとどまりました。また、情報収集の傾向も異なり、大企業は一次情報源を利用する一方で、中小企業は口コミや利用実績といった二次情報に依存する傾向が見られました。
特に注目すべきは、DHの導入に際しての障壁であり、多くの産業医が「費用対効果を判断しづらい」との回答を挙げています。このことは、中小企業の健康経営に対する注力度が低い現状とも相まって、導入をためらう要因になっています。また、情報収集や選択においても負担が大きいと感じる産業医が多く、これらの課題を解決するためには第三者による認証制度の整備が求められています。
アンケート調査の活用法
本調査の結果は、企業や法人におけるデジタルヘルスサービスの導入戦略に直結する重要なデータとして活用できるでしょう。まず、産業医がDHの価値を認めていることから、企業は健康経営の取り組みの一環としてDHを積極的に導入する考えを強化すべきです。特に、DHと保健スタッフによる対面指導とを組み合わせることで、より効果的な健康管理の実施が期待されます。
次に、企業は自社の規模や特性に応じた戦略を考慮し、中小企業においてもDHの導入を促進するために、必要な情報を収集しやすくするための仕組みを整えるべきです。具体的には、対象サービスの一覧を作成し、費用対効果を明示した口コミ情報などを整理・提示することで、導入を検討する際の手助けとなるでしょう。
また、産業医に対しては、第三者認証の重要性を理解し、適切な情報を得るための手段を確立することが必要です。政府や関連団体と連携し、DHの安全性や有効性を示すための情報提供を進めることで、企業が安心してDHを導入できる環境を構築できます。
一方、今後の展望として、DHの普及には企業とサービス提供者の双方にとって実用的な環境整備が欠かせません。アンケート結果を基に、需要側のニーズを明確にし、供給側に対しても効果的なサービス開発を促すシステムを構築することが求められます。これにより、DHの導入が進むことで、健康経営の効果が短期的にも長期的にも期待できることが見込まれます。
総じて、本調査の結果は、企業がDHを戦略的に導入し、健康経営を推進するための貴重な手引きとなるでしょう。このようなデータをもとに、企業の健康戦略が更に進化し、国全体の健康増進に寄与することが期待されます。
出典 PR TIMES