アンケート調査データ
- アンケート調査日2024/4/1
- アンケート調査媒体インターネット調査
- アンケート調査実施企業株式会社履修データセンター
- アンケート調査方法インターネット調査
- アンケート調査対象者2025年卒業予定の大学生
- アンケート調査人数600人
- 配信日2024年10月16日 10時30分
アンケート調査の概要
株式会社履修データセンターによるこのアンケート調査は、2025年卒業予定の大学生約600名を対象に、学業および就職活動に関連する現状を把握する目的で実施されました。調査が行われたのは2024年4月で、インターネットを通じて行われました。この調査の主な狙いは、新卒採用における学生の「エピソードの脚色」の実態を明らかにし、結果的に今後の採用プロセスの透明性の向上につなげることです。
調査内容は、主に就職活動におけるエピソードの脚色に関する学生たちの認識を把握することに焦点を当てています。エピソードの脚色とは、学生が自己PRやエピソードを誇張または改変して表現することを指し、これは就職活動における信頼性や透明性の観点から問題視されています。この調査は、企業側の採用担当者との認識の相違を浮き彫りにし、採用プロセス全体を見直す契機となることが期待されています。
アンケート調査の結果
調査結果からは、学生の8割以上がエピソードを脚色していると認識していることが明らかになりました。その中で、48%の学生が「8割以上の学生が脚色している」と発言し、さらに「6~7割」と回答した学生も加えると、その割合は72%にも達しました。特に興味深いのは、「8~9割」の学生が脚色していると答えた割合が38%に及び、これは全体の1/3程度を示します。このことから、多くの学生が自身のエピソードに何らかの形で脚色を加えている意識が強いことが分かります。
また、別途行われた調査では、採用担当者の6割が「エピソードの脚色に気付いている」と答えている一方で、4割は気付いていないことが示されました。この結果は、脚色されたエピソードが採用決定に影響を与えている可能性が高いことを示唆しています。具体的には、脚色内容としてはサークル活動の規模や成果を過大表示することや、他者の成果を自らの成果として表現することが挙げられます。最近では、生成AIを利用して脚色やエピソードを作成する学生も増えており、その精巧さが新たな問題として浮上しています。
このような現状を受けて、企業側は採用プロセスを再評価する必要性が重要視されています。特に面接の際の評価項目の見直しが必要であり、学生とのコミュニケーションのあり方や、評価基準の設定について再考することが求められています。
アンケート調査の活用法
この調査結果は、ビジネスマンや法人経営者、マーケティング担当者にとって、以下のような具体的な活用法が考えられます。
第一に、採用活動における透明性の向上に向けた施策が考えられます。調査で示された脚色の実態は、企業が求める人材の特性や価値観と、学生の自己表現方法とのギャップを示しており、このギャップを埋めるための取り組みが必要です。例えば、採用面接の段階で学生が持つ価値観や経験についてしっかりとヒアリングし、正直な意見を引き出すためのフレームワークや質問を準備することが重要です。
第二に、企業文化や求める人材像をより明確に伝える場を設けることです。オープンな企業文化を持ち、透明性のあるコミュニケーションを心がけることは、学生が脚色する必要がない環境づくりにつながります。また、具体的な事例や体験談を掲載したリクルート資料を作成し、企業としてのリアルな姿を伝えることも効果的です。
第三に、デジタルツールやAIを活用した採用プロセスの改善が考えられます。生成AIを利用している学生の増加に対応し、企業側もAIをダイバーシティの視点で取り入れることができます。例えば、応募者が自分自身のスキルや経験を正直に語れるようなAIツールの導入や、ビデオ面接の際にAIを用いて応募者の表情や反応を分析することが挙げられます。これにより、より精度の高い採用活動が可能になるでしょう。
最後に、調査結果を基にした教育や研修プログラムの開発です。企業が求めるスキルや経験に関する具体的な情報を学生に提供し、透明性を持ったエピソードの伝え方を学ぶ機会を創出することが求められます。また、企業が参加するワークショップやネットワーキングイベントを開催し、学生が企業に対する理解を深めるとともに、企業側も学生の生の声を直接聴く機会を設けることが重要です。
このように、株式会社履修データセンターの調査結果は、採用活動の見直しや透明性の向上、さらには企業と学生の関係構築に寄与する重要な指標として活用することができます。新卒採用を成功に導くために、企業はこの調査の結果をしっかりと受け止め、対策を講じることが求められます。
出典 PR TIMES