アンケート調査データ
- アンケート調査名CEFR導入状況調査
- アンケート調査日2024/8/22
- アンケート調査実施企業株式会社プロゴス
- アンケート調査方法アンケート調査およびヒアリング
- アンケート調査対象者グローバル人材育成に取り組む企業
- アンケート調査人数101人
- 配信日2024年10月2日 14時00分
アンケート調査の概要
この調査は、株式会社レアジョブの法人向け事業子会社、株式会社プロゴスが実施したもので、グローバル人材育成に取り組む企業101社を対象としています。調査期間は2024年8月22日から9月18日までで、回答企業からの情報をもとにしたアンケートとヒアリングを併用して実施されました。調査の主な目的は、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)の日本企業における導入状況と活用実態を把握し、今後のグローバル人材育成のトレンドを明らかにすることです。
調査の結果、回答企業の約76%がCEFRを導入しており、82%が売上規模1,000億円以上の大企業となっています。この調査から、企業の英語力評価基準がTOEIC®L&RからCEFRにシフトしている現状が浮き彫りとなりました。特に、近年のグローバル化に伴い、英語力の中でもスピーキング力への注目が高まっています。このような変化は、企業が求める人材像にも影響を与え、今後の人事評価基準にも大きな変革をもたらすことが期待されています。
アンケート調査の結果
調査結果分けると、以下の主要なポイントが挙げられます。まず、CEFRの導入状況についてですが、過去3年以内に導入した企業が全体の65%に達しています。この数字は、CEFRがいかに急速に普及しているかを示しており、特に「会話力を重要視している」という回答が全体の約60%を占めるなど、企業の英語力評価基準がリスニング・リーディングからスピーキングにシフトしている状況が確認されました。
次に、CEFRの利用用途に関して、最大の用途は研修の効果測定であり、全体の約70%がこれに該当します。研修の設計や進捗の可視化、学習効果の測定にCEFRが役立てられていることが分かります。また、配属や昇進・昇格の評価基準としての利用も多く見られ、人的資本経営の推進を示唆しています。
業界別に見ると、製造業が全体の約60%を占め、特にグローバル展開を行う企業でのCEFR導入が目立っています。一方で、CEFRを導入していない企業の理由としては、社内での理解不足が44%を占めており、これはCEFRの評価基準がまだ十分に浸透していないことを示しています。CEFRの利用においての課題は、機能面よりも認知や理解に関する問題が多いことが調査から浮かび上がりました。
アンケート調査の活用法
この調査結果は、ビジネスマンや法人経営者、マーケティング担当者にとって、企業内でスキル評価や人材育成における指標を再考するきっかけとなります。具体的には、以下のような活用法が考えられます。
まず、企業はCEFRを導入することにより、英語力に対する評価基準をより客観的かつ実践的にすることができます。「CAN-DO」の視点でスピーキング力を重視することにより、従業員のコミュニケーション能力を評価し、育成する方向性が明確になります。これにより、組織全体のグローバル競争力を高めることが可能になります。
次に、研修プログラムの設計にCEFRを組み込むことで、具体的なスキルの向上を図ることができます。研修の目的や評価基準をCEFRにあわせて設定することで、従業員がどのレベルにいるのかを明確にし、進捗を可視化することができます。このようにすることで、研修の質向上や効果の測定が可能となり、最終的には業務に直接的な影響を与えることが期待されます。
さらに、採用活動においても、求める人材要件にCEFRのレベルを併記することで、より具体的に応募者のスキルを評価することができます。従来のTOEICスコアだけでは不十分な場合、CEFRを追加することで、特にスピーキング力を重視する企業にとって有用な指標となるでしょう。
最後に、CEFRを導入することで、企業文化の変革も促進される可能性があります。言語能力の基準が変わることで、コミュニケーション全般の重要性が再認識され、社員同士のコラボレーションの促進や国際的なプロジェクトへの参加意欲が高まるかもしれません。このような変革は、企業全体の業績向上にも寄与することになります。
今後、CEFRの導入が企業における人的資本経営の重要な柱となることが予想され、企業はこの評価基準を適切に活用することで、継続的な成長と競争力維持を図ることが求められます。
出典 PR TIMES