アンケート調査データ
- アンケート調査名ひとり親家庭の養育費に関するアンケート
- アンケート調査日2024/8/9
- アンケート調査実施企業認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン
- アンケート調査方法アンケート回答フォームへの入力(オンライン)
- アンケート調査対象者グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンク事業「グッドごはん」の利用者
- 配信日2024年10月3日 15時28分
アンケート調査の概要
特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンは、低所得のひとり親家庭を支援するためのフードバンク「グッドごはん」を運営しています。2024年8月9日から8月25日の間、このフードバンクを利用するひとり親家庭の保護者を対象に「ひとり親家庭の養育費に関するアンケート」が実施されました。本調査は、養育費の受け取り状況やそれに影響を与える要因を探ることを目的としています。調査対象者は、ひとり親家庭等医療費受給者証を持つ方々で、1,481名の利用者から回答を得ました。
調査方法はオンラインの回答フォームを用いており、回答者の性別は女性が大多数で、年代は主に30代から50代に集中しています。居住地域は主に首都圏と近畿及び九州に散らばっています。
アンケート調査の結果
調査結果では、回答者の約50.3%が養育費を一度も受け取ったことがないと回答しました。これは非常に深刻な現状を示しています。養育費を受け取っていない理由としては、相手が支払いを拒否しているケースや、相手からの身体的・精神的暴力が大きな要因となっていることが明らかになりました。特に、壊れた人間関係から養育費を求めること自体が、精神的な苦痛を伴うことが多く、多くの回答者が「相手に関わりたくない」という理由で養育費の取り決めをしないという状況が見受けられました。
また、養育費として受け取っている額も問題視されており、受け取っている金額の多くが月額1~5万円台で、養育にかかる実際の費用をカバーしきれないケースがほとんどです。文部科学省の調査によると、子ども1人あたりの学習費が年間約35万円かかることを考えると、この金額は子どもの育成に必要なコストに遠く及ばないことがわかります。さらに、調査に参加した8割以上の回答者が、現在受け取っている養育費が「少なすぎる」または「やや少ない」と認識していることが明らかになりました。
法的手続きを通じて養育費を請求することに対しても、多くの回答者が心理的・経済的な負担を感じており、77.7%が法的手続きを行ったことがないと回答しています。これに関する理由としては、弁護士など専門家への依頼費用の負担や、法的手続きのための時間と精神的な負担が挙げられました。
アンケート調査の活用法
このアンケート調査の結果は、ひとり親家庭における養育費問題の実態を深く理解するための貴重なデータとして活用できます。以下は、さまざまな関係者がこの結果をどのように活用できるかの提案です。
まず、行政や政策立案者はこのデータを基に、法制度の改善に向けた議論を進めることができます。具体的には、養育費に関する法律や制度の改正、ひとり親家庭を対象にした支援施策の拡充が求められます。特に、弁護士費用や時間的要因を軽減するための新たな法律整備が不可欠です。このことは、法的手続きに対するハードルを下げ、より多くのひとり親が適切な養育費を受け取れるようにするための第一歩となります。
次に、NPOや支援団体は、調査結果に基づいて具体的な支援プログラムを開発することができます。たとえば、養育費請求に際しての法的アドバイスを提供するワークショップを開催したり、実際に法的手続きを行う際のサポートを行ったりするプログラムを構築することが考えられます。また、養育費未払いの問題に対する啓発活動を行うことで、社会全体での理解を深め、問題への関与を促すことが重要です。
さらに、マーケティング担当者はこの調査結果を用いて、ひとり親家庭向けの商品やサービスの開発に注力することができます。養育費問題を解決する手助けとなる支援策や商品のマーケットニーズを調査し、ターゲット層に向けたプロモーションを行うことで、社会貢献をしながらビジネスを展開することが可能になるでしょう。
最後に、社会全体として養育費の未払いがもたらす影響を考え、家庭の問題を一個人の問題としてではなく、社会全体の課題として捉えることが重要です。本調査から浮き彫りになった問題は、無視できない深刻なものであり、子どもたちの未来を守るためにも、官民一体となった取り組みが求められています。
このように、アンケート調査の結果は多様な形で活用でき、ひとり親家庭の養育費問題への理解を深め、解決に向けたアクションを促進するための重要な手段となります。
出典 PR TIMES