アンケート調査データ
- アンケート調査名『対話の促進』は『経営成果』にどのように影響するか?
- アンケート調査日2023/8/4
- アンケート調査実施企業株式会社コーチ・エィ
- アンケート調査方法定量調査(アンケート)および定性調査(インタビュー)
- アンケート調査対象者上場企業に勤務する社員(経営層含む)
- アンケート調査人数550人
- アンケート調査設問数4問
- 配信日2024年11月6日 14時24分
アンケート調査の概要
今回の調査は、株式会社コーチ・エィと二松学舎大学の小久保欣哉教授との共同研究として実施されました。主な目的は、「対話の促進」が「経営成果」に与える影響を明らかにすることです。この研究は、特に経営チーム内での対話が経営成果にどのように関連しているのかを探るために行われました。
調査は2023年8月4日から8月24日の間に行われ、対象は東京証券取引所に上場する企業に所属する経営層を含む約550名の社員です。調査はリッカート尺度を利用し、定量的なデータを収集しました。具体的な調査項目には、経営チーム内および会社全体における対話の促進度、パーパス(企業理念)の浸透度、経営チームの戦略的意思決定能力、及び経営成果の四つが含まれています。また、それらの結果を「対話を促進している企業」と「対話を促進していない企業」とで比較分析しました。調査の結果、対話の促進が企業経営において重要な要素であることが示されました。
アンケート調査の結果
調査の結果、対話を促進している企業では、経営チーム内および全社のパーパス浸透度、経営チームの戦略的意思決定能力、経営成果が対話を促進していない企業と比べて統計的に有意に高いことが確認されました。具体的には、以下のような結果が得られました。
- 経営チーム内の対話促進度と経営成果: 対話を促進している企業においては、チーム内での意見交換やフィードバックが活発に行われるため、経営成果が向上する傾向が見られました。
- パーパス浸透度: 経営チーム内での対話を通じて、企業理念やビジョンが社員に浸透しており、共感を持って行動する姿勢が形成されることが評価されました。
- 戦略的意思決定能力: 対話の促進により、経営チームのメンバーが自発的に意見を述べる機会が増加し、多面的かつ双方向的なコミュニケーションが実現され、それが意思決定の質向上につながりました。
さらに、定性調査において、経営者3名へのインタビューを実施しました。このインタビューを通じて、経営チーム内の対話の促進がどのようにして具体的な経営成果につながるのか、その具体的なメカニズムや実感が明らかになりました。例えば、メンバー間でのリクエストや期待を共有することで、多様性の理解が深まり、暗黙知が形式知化されるプロセスが確認されました。
アンケート調査の活用法
今回の調査結果は、多くのビジネスシーンで活用可能な貴重なデータを提供しています。以下に、具体的な活用法をいくつか挙げます。
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会議やコミュニケーションスタイルの見直し: 経営チームや部門において、対話が促進される環境を作り出すための方策を検討します。例えば、定期的なフィードバックセッションやブレインストーミングを導入することが考えられるでしょう。
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リーダーシップ開発: 経営者やリーダー層に対して、対話ベースのリーダーシップを育成するプログラムを実施することが重要です。これにより、リーダー自身が対話の重要性を理解し、実践することが期待されます。
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企業文化の醸成: 対話を促進する企業文化を醸成するために、社員の意見を積極的に取り入れる風土を構築します。これは、社員のエンゲージメント向上にも寄与し、結果的に経営成果を高めることに繋がります。
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戦略的意思決定の質向上: 経営チーム内での対話を通じて、多面的な視点を持つようにし、コミュニケーションを重視する場を設けることで、より良い意思決定ができる環境を作ります。複数の意見を尊重することで、戦略の選定精度が高まります。
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教育研修の設計: パーパス浸透や経営チームの戦略的意思決定能力向上のための研修プログラムを開発し、企業全体で実施することが考えられます。これにより、組織の一体感や理解度が向上し、戦略的な方向性を一致させることができます。
この調査結果は、組織変革を目指す企業にとって非常に重要な情報を提供しており、経営の現場で直接活用できる知識となります。「経営チーム内の対話の促進」が経営成果につながるという知見をもとに、企業は自社の経営風土を見直し、さらなる発展を目指すことができるでしょう。対話を促進することが、結果的に企業の成長に寄与すると感じられる調査結果を元に、各企業は実践的な施策を検討・実施することが望まれます。
出典 PR TIMES