アンケート調査データ
- アンケート調査名即時OA義務化に対する研究者意識調査
- アンケート調査日2024/8/27
- アンケート調査媒体オンラインアンケートフォーム
- アンケート調査実施企業カクタス・コミュニケーションズ株式会社
- アンケート調査方法自主回答形式
- アンケート調査対象者論文出版経験がある研究者
- アンケート調査人数1012人
- 配信日2024年10月24日 15時00分
アンケート調査の概要
エディテージは「即時オープンアクセス(OA)義務化に対する研究者意識調査」を実施し、その結果を発表しました。この調査は、2025年度から競争的研究費による論文の即時OA義務化が閣議決定されたことを受け、研究者の意識や課題を探ることを目的としています。調査は2024年8月27日から9月6日までの期間において、エディテージの利用者を中心に、論文出版経験を持つ研究者1,012名を対象に行われました。調査はオンラインアンケート形式で、自主回答を基に進められました。目的は、新しい方針に対する理解度、支持率及び関連する懸念を把握することにあります。
調査の結果、即時OA義務化に関しては71%の研究者がその方針を知らなかったことが判明しました。これに加えて、OA化の支持率は35%にとどまり、研究者の多くはOAの理念には同意しているものの、実際の実施に当たり経済的な負担を大きな懸念としていました。特に、OAに関する制度面や財政面でのサポートの欠如が浮き彫りになり、今後の施策への期待が寄せられています。
アンケート調査の結果
調査結果は多岐に渡り、研究者の心情や意見は様々でした。まず、即時OA義務化に関して71%の研究者が「知らなかった」と回答した事実は、情報伝達の不足を示しています。これにより、今後の施策に影響を与える可能性があります。また、即時OA義務化に対する支持率は35%で、研究者の大部分が経済的な懸念を抱いていることが明らかになりました。この背景には、研究予算の限られた中での高騰する投稿費用への不安が横たわっています。
興味深い点として、調査に参与した研究者のうち51%は「積極的にOA化を進めたい」と回答していますが、一方で49%の研究者はその意見に否定的もしくは態度を保留していました。これはOA化への意欲があるものの、実行に移す上での障壁が存在することを示唆しています。また、58%の研究者は、所属機関に機関リポジトリがないか、存在すら知らないと回答しており、この点も支援体制の不足を反映しています。
さらに、研究者たちの満足度は低く、大学のOA化支援について満足していると答えた人はわずか23%でした。その理由として、投稿費用補助の充実が82.9%の研究者によって挙げられる一方で、不満の根源も同様に「投稿費用補助の不足」であったことが浮き彫りになりました。これらの結果から、研究者は特に経済面での支援を強く求めていることが明確になりました。
アンケート調査の活用法
今回の調査結果は、ビジネスマン、法人経営者、マーケティング担当者にとっても重要な示唆を提供します。まず第一に、研究者の意識やニーズを把握した上で、自社のサービスや製品を研究者にフィットさせることが可能です。具体的には、OA化に関する支援サービスの提供、投稿費用の補助を行うプログラムの開発などが考えられます。これにより、研究者との信頼関係を築き、将来的な顧客としての獲得に繋げることが期待できます。
次に、研究機関や大学との連携がポイントです。調査結果からは、機関リポジトリの重要性が浮き彫りになっており、実際に機関リポジトリの利用促進を支援する事業を行うことで、両者にとってウィンウィンの関係を築くことが可能です。特に、機関リポジトリのオートメーション化や国産OA誌の整備に向けての協力は、支援の手を差し伸べる良い機会です。
また、今回の調査結果は、マーケティング戦略の立案にも役立ちます。研究者が抱える懸念を理解し、それを緩和するための情報発信や教育コンテンツ作成に注力することで、ブランドの価値を高めることができます。例えば、OA義務化についてのセミナーやワークショップを開催し、研究者に正しい情報や支援の方法を提供する場を設けることで、認知度を高めると同時に、顧客へのフォローアップも可能です。
最後に、この調査結果は、今後の政策提言にも繋がります。研究者の意見を反映した新たな支援制度の設計や政府への働きかけを行うことで、より良い研究環境を構築するための施策に貢献できるでしょう。研究者の意見とニーズを具体化することで、研究活動の活性化に寄与する政策が実現する可能性が高まります。これにより、ひいては学術界全体の発展に寄与することが期待されます。
以上のように、調査の結果は、単なる数値の集積ではなく、具体的なアクションプランやビジネスチャンスを提供する重要な情報となっています。研究者への理解を深め、支援を行うことで、自社の成長を図るとともに、学術界の発展へ寄与することが求められる時代となっています。
出典 PR TIMES