企業の約7割がデジタル人材育成を導入、一方で参加社員は2割未満 GLOBIS 学び放題調査から見るリスキリング現状の課題と対策

アンケート調査データ

  • アンケート調査日2024/4/26
  • アンケート調査媒体インターネット
  • アンケート調査実施企業株式会社グロービス
  • アンケート調査方法インターネットによるアンケート
  • アンケート調査対象者20歳~59歳の正社員(営業職、事務職など)
  • アンケート調査人数1032人
  • アンケート調査設問数412問
  • 配信日2024年11月7日 14時30分

アンケート調査の概要

株式会社グロービスが実施したアンケート調査は、企業のデジタル人材育成および社会人の学習実態に関するもので、2024年4月26日から4月28日までの期間に行われました。調査対象は、20歳から59歳の正社員1032人及び、従業員数100人以上の企業に所属する人事育成担当者412人です。調査は全国を対象としており、インターネットを通じた形式で実施されました。

当調査の背景には、急速なテクノロジーの進展とデジタル化の進展に伴うリスキリング(再教育)の必要性があります。企業はもちろんのこと、個々の社員もまた、自身のキャリアや価値を高めるために新たなスキルの獲得を求められています。この調査は、特に「学習者と非学習者の比較分析」、「ベテラン非管理職社員の実態」、「デジタル人材育成」に焦点を当てています。

アンケート調査の結果

調査結果は大きく三つのポイントに分かれます。

第一に、社会人の学習実態では、対象者の63%が「学習は行っていない」と回答しており、さらに28%は「学習を行っておらず、必要性も感じていない」と明らかにしました。学習を行っていないグループの81%はキャリア目標を持っておらず、仕事やキャリアの振り返りも行っていない人が多いことが分かっています。このことから、企業や上司との関わりが学習意欲に影響を与える要因であることが示唆されています。

次に、企業のデジタルリスキリングの実態についてです。調査に答えた人材育成・研修担当者の68%が自社でデジタル人材育成に取り組んでいると回答しましたが、実際に研修に参加した社員は全体の17%に留まっています。さらに、24%は自社でデジタル研修が実施されているかどうか不明でした。この調査結果から、企業と社員の間には明らかな意識のギャップが存在していることが確認できました。

最後に、ベテラン非管理職社員の実態に関して、多くのベテラン社員が学習習慣を持たないことが分かりました。ベテラン社員の学習を行っている割合は27%であり、他の職務グループと比較して学習意欲やキャリア目標の意識が低いことが明らかになっています。社員が学ばなければならない領域についても、企業側の期待と社員が興味を持つ内容にずれが存在しました。この結果は、リスキリングにおける課題を浮き彫りにし、若手社員との関係性を築く重要性を示しています。

アンケート調査の活用法

この調査結果を元に、企業やマーケティング担当者、経営者がどのように戦略を構築していけるかについて具体的に考察します。

まず、リスキリングに対する社内の文化形成が重要です。社員が自律的に学ぶ環境を整えるためには、企業側が「学ぶ意義」を明確にし、学習の必要性を社員に認識させることが大切です。定期的なフィードバックや1on1ミーティングを通じて、学習の意義やキャリアの振り返りを促す仕掛けを作ることが求められます。

さらに、デジタル人材育成に取り組む企業が多い一方で、実際に参加している社員が少ないという枚挙に耐えない状況です。企業は、デジタル領域の研修が実施されているかどうか社員に明確に伝え、参加を促す施策を取る必要があります。具体的には、研修に参加することが実際の業務にどう活かせるのかを事例を交えて説明することで、参加意欲を喚起することができます。

最後に、ベテラン社員のリスキリングについては、年齢や職務に関わらず、個々の社員が抱える課題の理解が不可欠です。人事担当者は、ベテラン社員が抱えている実際の課題や興味を聴取し、彼らが学びたいと感じる内容に基づいて研修内容を構築する必要があります。これにより、企業と社員の双方にとって有意義な学習プログラムを設計しやすくなります。

この調査は、企業が人材育成戦略を見直す貴重なヒントとなるでしょう。今後の企業の成長に向け、社員の学びを支えるさまざまな施策を推進していくことが求められています。

アンケート調査のプレスリリース本文はこちら
出典 PR TIMES

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